©Twentieth Century Fox Film Corporation and Storyteller Distribution Co., LLC.

巨匠スティーブン・スピルバーグ監督のもとで、メリル・ストリープとトム・ハンクスという2大オスカー俳優が初共演を果たした社会派ドラマ。ベトナム戦争が泥沼化し、アメリカ国民の間に疑問や反戦の気運が高まっていた1971年、政府がひた隠す真実を明らかにすべく立ち上がった実在の人物たちを描いた。71年、ベトナム戦争を分析・記録した国防省の最高機密文書=通称「ペンタゴン・ペーパーズ」の存在を、ニューヨーク・タイムズがスクープする。ライバル紙でもあるワシントン・ポスト紙の発行人キャサリン・グラハムは、部下で編集主幹のベン・ブラッドリーらとともに、報道の自由を統制し、記事を差し止めようとする政府と戦うため、ニューヨーク・タイムズと時に争いながら連携し真実を世に出すため奮闘する。第90回アカデミー賞で作品賞と主演女優賞にノミネートされた。映画.comより

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3/30(金)より公開の「ペンタゴン・ペーパーズ」。監督のスピルバーグが、「今、撮るべき作品」として、トランプ大統領就任45日後に本作の製作を発表。予定していた作品を後回しにして撮影を敢行したと言われている作品です。政府によってジャーナリズムに規制がかけられ、国の主役であるはずの国民に真実が伝えられず、何が真実で何が正しいのかがわからなくなってきている現代において、「今」だからこそ伝えるべき作品と強烈なメッセージを込め、この危機的状況に警鐘を鳴らす作品に仕上げています。

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1971年に政府がひた隠しにしてきた、最高機密文書である「ペンタゴンペーパーズ」を公表しようとするワシントンポストのトップでアメリカ主要新聞社史上初の女性発行人キャサリン・グラハム(メリル・ストリープ)と編集主幹ベン・ブラッドリー(トム・ハンクス)達の、新聞社と政府の戦い…報道の自由を懸けた戦いを描いてます。

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この、今まで築いてきた全てのもの、会社、社員、家族、全てを失うかもしれない覚悟を決めるワシントンポストの女社長が、夫が自殺したことによって跡を継ぐことになった、45歳まで専業主婦やってた経験未熟な女性っていうのを私知らず。

取締役の一部も女性で経験が浅いと軽んじてたぐらいの、ようはずっとバカにされ続けてきた女性トップ。でも流れでトップになったように見られ、重圧と責任に耐えてやるべきことをなそうとする強い女性を感じられたのはメリル・ストリープが演じていたからかもしれません。正直頼りない、主婦が抜けきれないような女性に見えた彼女が、決断を下すまで、下した後の演技を見ると、メリル・ストリープがオスカー史上最多ノミネートされているのも頷けます。(ちなみに、このペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書でも主演アカデミー賞にノミネート。)
そして、そんな彼女の決断が国を、国民を、報道の自由を救うのです。

エピソードのひとつひとつが、アメリカっていう国の強さと違いをひしひしと感じた映画でした。

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この映画を観て強く思ったのは、“国民ひとりひとりが自分の主張を持ち、そして行動を起こすことが自分たちを守ることになるということ”と、“今、私たちがそれができているのか”ということ。

信念を持ち行動する、それは誰もが実は心の奥底に持っているものであり、特別な人だけが持っているものではないんだと思わせてくれてます。

私がすごく心を動かされたシーンが、スクープ後、政府の機密文書を公開した罪に問われる裁判の日、ひとりの少女も小さい出来事ですが、裁判に向かうキャサリンに行動を起こすシーン。

なんてことない小さな出来事なのかもしれないけど、すごく大事なシーンのように思えました。

「報道機関は国民に仕えるものでおり、政権や政治家に仕えるものではない。」

ただ、今は報道のすべてを100%信じられなくなっている時代。この映画は、ベトナム戦争時代の、過去の話というだけはない、今の私たちが観るべき映画なんだということを強く感じました。個人が主張を持ち、行動を起こせるような人間にならなければ。何十年か後に、あの時のわたし達は何故行動しなかったのかと言われぬよう、恥ずかしくない生き方をしなければと思ったのです。

“今、撮るべき作品”とスピルバーグが行動を起こしたこの作品は、

私たちが“今、観るべき映画”なのだと思います。