最近、疑似家族をテーマにした映画が多い気がする。

今年だけでも、カンヌ映画祭を制して話題になった『万引き家族』を筆頭に、『焼き肉ドラゴン』では戦後の貧しい地方集落で肩を寄り添って暮らす一家とその取り巻きはやはり血の繋がりが複雑だった。

『フロリダ・プロジェクト』では貧困にあえぐ母子家庭の親子と、彼らにお節介ながら世話を焼くモーテルの管理人さんの関係性もやはり家族のように思えた。『ブリグズビー・ベア』や『ぼくの名前はズッキーニ』でも歪な形の家族形成が描かれており、偶然こういうテーマが多いというよりは今の時代に描かれるべきテーマなのかもしれない。

 

離婚やシングルマザーがそんなに珍しくない現代になって、さらに同性婚や不妊治療の増加に伴う特別養子縁組制度の需要拡大など、今までに想定していなかった家族のカタチが新しい可能性を生んでいるのかな。

 

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さて、今回紹介する『20センチュリー・ウーマン』も疑似家族を描く作品です。

舞台は1979年のカリフォルニア、シングルマザーの主人公ドロシアは15歳の息子ジェイミーが多感な時期になり関係が上手くいかず悩んでいた。そこでドロシアはジェイミーの幼馴染の少女ジュリーと、ルームシェアをしているカメラマンの女性アビーに子育ての協力をお願いする。

1920年代生まれ、1950年代生まれ、1960年代生まれと世代の異なる3人の女性の生き方を通して、アートやセックスのエピソードを絡めながらフェミニズムのあり方を巧みに描いています。

 

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とにかく、劇中の3人の女性がみんな生き生きしてます。

母親ドロシアを演じるのはアネット・ベニング。元々、周囲に媚びないサバサバした雰囲気の女優さんですが、今回はノーメイクでごくごく自然体のおばちゃんを好演しています。今作の演技では数々の映画賞も受賞しました。恐らくキャリアNo. 1の素晴らしい演技だと思います。

 

政治意識の高い女性カメラマンを演じるのはグレタ・ガーウィグ。彼女は女優としても今後が楽しみな役者さんのひとりですが、何と言っても初監督作品『レディ・バード』(これもメチャ好きな作品!)が高く評価されて34歳の若さでアカデミー監督賞にノミネートされたのが凄い!女性では史上5人目の快挙なんです。

今、ハリウッドで一番注目されている女性、これからの活躍にも期待です。

 

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そして、3人目。少年の幼馴染ジュリーを演じるのはエル・ファニング!

このチャリ乗ってる子ですよ。『マレフィセント』のオーロラ姫って言ったら分かるかな。

妖精、天使、小悪魔、いろんなを表現されますが、どんな表現にも当てはまらない特別な魅力のある女優さんです。

観たことない方はぜひ一度、彼女の出演作品を観るべきですよ。吸い込まれそうになります。

 

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もう一枚載せとくか 笑

ビジュアル的にもすごくカッコイイし、お洒落な作品でもあります。

まだまだ女性の地位が高くなかった時代に、まさに女性解放運動を地でいくように躍動する女性たちの生き様を感じ取ってほしいです。

特にこのAshleyのサイトを観て下さっている若い女性の皆さんには、このキラキラ輝くような珠玉の作品をご覧いただきたいな。

それと、一つ一つのセリフが印象的で心に響いて、メモに取って残したくなるくらい。

言葉でその良さを表現することがとても難しい映画の一つだと思いますが、できるだけ多くの人に届いてほしいなと思える作品です。ぜひ!