「Hey,Siri!」「OK,Google!」なんて携帯電話に話しかけるのは日常茶飯事の現代。

 

最近ではAI(人工知能)のスピーカーを家に置いて、水筒みたいな物体と会話できたりもする。

さて、今回紹介する『her / 世界でひとつの彼女』は主人公が人工知能型OSと恋に落ちる、簡単に言うとSiriの女性と恋に落ちる作品です。もちろんSiriよりも格段に優秀で、超高速の分析機能に加えて自己学習能力も備わっており、持ち主の趣味趣向も完璧に把握、心理状況を声のトーンから感知したりして、それはそれは痒い所に手が届く最適のパートナーになり得るのです。

 

 

HER / ワーナー・ブラザーズ ホームエンターテイメント

 

 

 

 実態のない“ 声 ”だけの相手に恋するってちょっとキモくない?

そう思いますよね、確かにこの設定自体に乗れない人もいるとは思います。

でも、一度試しにご覧になってください。AIの声を演じるのはスカーレット・ヨハンソン、通称スカヨハ!

スカヨハの声を聴くだけでこの物語の現実味がグッと増すというか、少し声は低いんですよね、でもセクシーさの中にも包容力があってこれは恋に落ちるわなって納得できます。

ちなみに吹き替え版では林原めぐみさんがAIの声をされていて、あの綾波レイですよ!なので吹替も超オススメ。

 

 

 HER / ワーナー・ブラザーズ ホームエンターテイメント

 

 

 でも、よく考えたら日常生活における会話の多くはLINEだったりで、人の顔を見ずにスマホの画面相手に会話する時間の方が多かったりするわけです。

だから、主人公の気持ちは分からなくもないですよね、相手の顔は見えなくても恐らく世の中で一番自分を理解してくれる相棒なのですから。

 それとこの映画で印象的なところはその映像美で、近未来を思わせるロサンゼルスの空撮は胸をときめかせてくれます。ところどころに写る抽象的な建造物が目を引くのですが、あれはロサンゼルスではなく上海の建物なんですよね。でも、近未来のイメージとしてはぴったりでロサンゼルスの街並みともフィットしていました。

 

 

 

 HER / ワーナー・ブラザーズ ホームエンターテイメント

 

 

この映画、“近未来”、“人工知能”、“前衛的な建物”などと聞くとどうしても無機質で無感情なイメージを抱きがちですが、主人公の仕事は手紙の代筆業なんです。紙の本も作られなくなった時代に、相手に気持ちを伝えるツールが敢えての手紙ってステキですよね。

手紙の代筆をする主人公が声だけの相手に言葉を綴っていく、映像美とセンスのいい音楽も相まって心に響く殊勝のラブストーリーに仕上がっています。

好きな人と観るもよし、でも個人的には独りになりたい時に寄り添ってくれる作品だとも思っています。ぜひ!