とても美しく、いつまでも語り継がれるだろう珠玉の名作です。

 


 

北イタリアの避暑地を舞台に、男性同士のひと夏のエピソードを描いたラブストーリー。17歳の少年が大学教授の父親に招かれた大学院生と出会い、惹かれ合うさまを綴ります。

 

「男性同士」と書いても、さほど抵抗ない時代になったと思います。

ほぼ黒人キャストのアメコミ映画『ブラックパンサー』がメガトン級の大ヒットを記録し、現在日本公開中の『クレイジー・リッチ!』ではオールアジア人キャスト&スタッフながら全米3週連続第1位という予想外の大ヒットとなりました。

もう、人種の違いだったり、セクシュアリティの違いで、作品を選り好みしたり、過小評価する時代ではなくなったのです。

 

個人的な意見としては、男性同士って意識はほとんど無くて、純粋なラブストーリーとして心打たれました。

それは同じく同性愛を描いたオスカー受賞作品『ムーンライト』でも同様で、人を愛することの美しさと切なさは形は違えど普遍的なものなんだと改めて認識しました。

 

(C)Frenesy , La Cinefacture

 

さて、主人公である17歳の少年を演じるのはティモシー・シャラメくん。

「ティモシー・シャラメ」、この名前はぜひとも覚えていてください!

必ずや将来、演技派の大スターとして名を馳せることでしょう!!

 

(C)Frenesy , La Cinefacture

 

もう一枚載せとこ(笑)

今作ではオスカー候補の筆頭にも挙がり、実際はゲイリー・オールドマンが主演男優賞を受賞しましたが、最後の最後まで熱戦を繰り広げました。

今年公開された『レディ・バード』でもちょいとチャラい高校生を演じ、全米で公開されたばかりの『Beautiful Boy』では薬物依存症に苦しむ青年役を熱演します。とにかく話題作に立て続けに出演してるんです!

 

ちなみに今作に出演するにあたってピアノ、ギター、イタリア語を取得。しかも父親はフランス人なのでフランス語はペラペラ、しかも名門ニューヨーク大学に在学中の優等生。

いやいや完璧すぎて笑います。

 

(C)Frenesy , La Cinefacture

 

お相手の大学院生を演じるのは、アミハマことアーミー・ハマーさん。

彼は実はアメリカの石油王の御曹司でね、正直俳優の仕事しなくても食っていけるんですよ笑

でも、彼は家族の反対を押し切ってまでして俳優の道に進み、大成功を納めました。

とにかく、190cmを超える長身と、ローマ彫刻のような肉体美の凄さったら!

劇中ではほぼほぼ裸なのですが、残念ながらアーミー・ハマーのアーミーは写ってないですねぇ。。涙

そんな完璧な男、アーミー・ハマーがなかなかダサい踊りを披露するダンスシーンは個人的にはオススメです笑

 

(C)Frenesy , La Cinefacture

 

そして、今作の影の主人公と言っても過言ではないのが北イタリアのロケーションの素晴らしさ!

監督のルカ・グァダニーノは前作『胸騒ぎのシチリア』(これもメチャ好き!)でも、イタリアはシチリア地方の美しい避暑地を官能的にそして情熱的に描いていて、観ているだけでうっとりしてしまいます。

実は今作、劇場公開時にパンフレットが爆発的に売れて、売り切れ続出の事態になってしまい。それってやはり映画の余韻に浸っていたい、美しいシーンをずっと目に焼き付けていたい、そういう衝動に駆られるからでしょうね。

ちなみに僕も朝からKBCシネマに並んで買いました、限定版のパンフレット(笑)

 

(C)Frenesy , La Cinefacture

 

映画の後半、主人公のお父さんが息子に語りかけるシーンがあるのですが。

ここ数年観た映画の中で、一番胸を打たれるセリフだと思いました。

親世代の感覚からすると下手したら理解に苦しむナイーヴな問題かもしれないけど、この父親は息子から目を背けず包容力に満ちた温かいメッセージを贈るんですね。

映画史上に残る名シーンだと思います、思い出すだけで胸が熱くなります。

 

(C)Frenesy , La Cinefacture

 

今作の脚本を担当したのは、御歳90歳の名匠・ジェームズ・アイヴォリーさん。

彼は監督として、『眺めのいい部屋』や『モーリス』、そして『日の名残り』などの名作を世に残してきましたが、彼こそ実生活にて同性愛者であることを長年カミングアウトできずに、苦しんできたアーティストの一人でいました。

晩年にはカミングアウトでき、ただ高齢のためかここ10年くらいは表舞台から遠ざかっていましたが、今作にて脚本家としてカムバックし、見事アカデミー脚本賞を受賞したのです。これはアカデミー賞の90年の歴史で最高齢の受賞者となります。

 


 

この映画の素晴らしさはまだまだ語り尽くせないけど、美しい愛の物語としてずっとずっと語り継がれていくことでしょう。

必見です、ぜひ!