スピリチュアルケアとは、人生のあらゆる物事や事柄に対して感謝すべき価値を見出せるように導くこと、と言われ、対象の人(患者さん)が生きがいを持てるように促すことや、その人の心の健やかさを守ることや保つことです。少し医療的に言い換えると、自分自身の力により、心の自己治癒力や免疫力・心の健全性が高まるよう導く目的です。

医療現場だけでなく日常の傍にも存在する考え方ですので、少しかみ砕いて紹介します。是非、最後まで読んでください^ ^。

 

「自分とはなにか」になんと答えますか?

人生が終末に向かうと、これまでの人生では考えてこなかったようなことに向き合うことが多くなります。

 

 

「自分はいったい何をして生きてきたのだろうか。自分の人生って何だったんだろう。」

「死んだらどうなるのだろうか。」「孤独でどうしようもなく不安になる。」など、答えをみつけられず、心の苦しみどんどん大きくなります。

そんな苦しみに対して効果があると言われているのが、生きがいを持てるように促す“スピリチュアルケア”です。身体ではない精神的な苦しみに対するケア、心に寄り添うケアとも言えます。

しかし、このスピリチュアルケアを必要とするのは、人生の終末をむかえた人だけではありません。人は、健康的で元気でも何かしらの心のケア=スピリチュアルケアが必要な時があります。

自分という存在について、また人生について「自分は何のために生きるのだろう、どこに向かっているのだろう。」こういった究極的な人生への問いかけは、常に誰もが答えを求めているのかもしれません。

そう考えると、スピリチュアルケアは、医療の枠にも納まらない人としての本質的ケアと言っても過言ではないと思います。

 

 

 

特に現代は、科学技術の急速な発達により人間関係が希薄化し、モノが溢れ幸せを感じにくくなったと言われています。

多くの人が強くあることや美しくあること、華やかであることといった目にみえてわかりやすいものに価値を求めがちですが、苦しみや病気などは、日常の中で意識したり考えたりすることが少なく、見ないフリをするような傾向にあるのかもしれません。

どんな人でもいつ孤独感や苦しみ、喪失感など、スピリチュアルケアが必要なシーン必要になるかもしれませんし、自分が気付いていないだけでそのケアが必要な場合もあります。

そんな心の痛みを助けてくれるのがスピリチュアルケアです。

 

 

自分をわかってもらえたと感じられること

多くの終末期癌患者の方が「自分のことを理解してもらえた、価値観をわかってもらえた」と感じられることが最も心安らぐ、ホッとする瞬間だと指摘したという報告があります。精神的苦悩の全てに共通することは、わかってもらえる関係性というシンプルで美しいものなのです。

人は関係性の中で生きていく生き物です。

近年は、どうしても人と人との距離感が離れる傾向にあると思います。

それは、物理的な距離ではなく、心の距離です。

コミニケーションツールは発達しましたが、人と深く関わることを避けたり、自分の本音を人にぶつけたりすることは滅多にないことなのかもしれません。

本音で語り合える関係を作りたいという心のサインに実はみんな気づいています。感謝すべき価値はそこから湧き出てくるのです。

科学技術の進歩でモノが溢れ便利な生活ができるようになった昭和と平成は、人が“外の世界”に目を向けてきた時代でした。これからの時代は、人の“内の世界”に目を向けられる時代になるのかなと個人的には感じています。

新しい元号の「令和」は、心の時代になることを期待しています^ ^。