初夏に飲みたいリースリング =ドイツ・ラインガウ=
全国的に緊急事態宣言が解除となりましたが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?
家の外では、日に日に増していく木々の蒼さと心地よい風が初夏の訪れを告げています。
とはいえ、今はまだ「おうちで過ごす時間」の工夫をしているの人は多いと思います。
そして、海外への旅はまだまだ先の話… そんなことが明確になってきました。
けれど、私たちには想像力や記憶力という素晴らしい力があります!
だから、しばらくの間は 星野源さんの「うちで踊ろう」に倣い「ウチ = 家の内 と 心の内」で旅をする。
【ウチタビ】へお誘いしたいと思います!
今回は「初夏に飲みたいリースリング」を片手に、その銘醸地であるライン川流域の ドイツ2大産地 〜 フランス・アルザス地方 〜 スイス を巡るウチタビ を数回に渡ってご案内します。

私がこの季節になると飲みたくなるのが「しっかり冷えたリースリングの白ワイン」
蒼々とした景色の中、ポップで爽快な気分にさせてくれるワインなんです。

では、まずは「リースリング」という品種についての豆知識を。
リースリングは、ドイツやフランス・アルザス地方、スイス・ドイツ語圏などのヨーロッパの大河ライン川の流域で主に栽培されている白ブドウの品種。 古くから栽培されているぶどうで、ドイツのラインガウ地方が原産とされています。 その特徴を一言で表すと「品種のもつ個性だけで直球勝負!」ということ。 そして、「しっかりとした酸味と透明感、繊細な味わい、豊かなアロマ」を基本的なスタイルとしながら、産地や環境ごとに異なる個性を発揮するのが大きな魅力となっています。

リースリングは、育ちの良い真面目なお坊っちゃまタイプ。 と思いきや、控えめながらも意外な一面を出してくるんです。
そんな「リースリング君」に興味が湧いてきませんか?
それでは! リースリングの原産地「ドイツ」へと出発です!
ドイツは世界のリースリング栽培面積の6割を誇るリースリング大国。中でも、ラインガウ地方とモーゼル地方が2大産地とされています。 ドイツ生まれのリースリング君はどんなタイプなのでしょうか?

ラインガウ地方 Rheingau
ドイツの玄関口フランクフルトから西に位置するラインガウ地方では、ドイツワインの名産地リューデスハイムとドイツ観光では外せないライン川クルーズを楽しめます。 フランクフルト中央駅から列車で約1時間強でアクセスできる観光エリアです。
ラインガウ地方の観光のハイライト「ライン川クルーズ」

ライン川クルーズでは、ロマンチックラインと呼ばれる世界遺産の登録エリアの中でも、特に風光明媚なリューデスハイム〜コブレンツ間を、観光船でゆっくりと下るコースがおすすめ。


川の両岸には丘に沿って広がるぶどう畑、中世の古城や塔、遺跡群が次々と見学できます。
こちらのヴァイキング・リバー・クルーズの動画では、クルーズ気分が味わえます!
ラインワインの名産地「リューデスハイム」

リューデスハイムはライン川クルーズ寄港地の中でも人気の高い小さな街。

世界遺産のぶどう畑が広がるワインの名産地で、街の一番有名なスポットは「ドロッセルガッセ(つぐみ横丁)」という細い通り。全長わずか150mほどの通りの両側にはホイリゲ(ワイン酒場)やお土産屋さんが連なり、観光客で賑わいます。

また、街の裏手からは展望台のあるニーダーヴァルトの丘へゴンドラが繋がっていて、一面のブドウ畑やライン川の流れなどの絶景が臨めます。

ラインガウ地方のリースリング
リースリング原産地のラインガウ地方は、リースリングの栽培比率90%。ドイツワインの中でも最高級品を産み出し、輸出率が高い地方でもあります。 ライン川に面した南向きの斜面に開墾されたぶどう畑では、太陽の熱と光がたっぷりと降り注ぎ、ぶどう栽培に最適な土壌の性質にも恵まれていることから素晴らしいリースリングが育まれます。

そんなラインガウのリースリングは「力強さと程よいボリューム感」に、リースリングらしい「エレガントさ」を兼ね備えたワイン。 ゲルマン民族ならではの屈強さとスマートな振る舞いをこなす「素敵なボディーガード」 もしくは「007のジェームズ・ボンド」といったイメージのリースリング君です♡ (あくまで個人的感覚ですが、、、)
さて、ドイツ・ラインガウのリースリングをめぐる一日はそろそろ終わり。

家の内、心の内で旅する「ウチタビ」は愉しんでいただけましたでしょうか?
次回の「ウチタビ」では、ドイツ・モーゼル地方のリースリングに出逢う旅へご案内します。
Prost und Gute Reise ! 〜 乾杯、そして良い旅を!〜
おまけ:ドイツワインの選び方(等級、ラベルの見方)
ドイツワインのラベルには、一般的にワインの生産者、品種、等級、産地が表記されていますが、とりあえずは好みの「品種、甘さ(等級)」に絞って選ぶのがおすすめです。

ドイツのワインは糖度(アルコール度、甘さ)によって等級が決められ、一般的には糖度が高い(甘い)ワインほど価格が高いワインになっています。 そのため、ドイツワインを買う際には「甘さの好み」によって等級を選ぶことがポイントです。
今回のコラムでは辛口のリースリングを想定しており、ワインのラベルにはトロッケン(Trocken)と表記されます。
やや甘めのワインが好みならば、カビネット(Kabinett) 中甘口〜甘口が好みなら、シュペトレーゼ (Spaetlese) や アウスレーゼ (Auslese) 食後のデザートワインとして楽しみたい時には、ベーレンアウスレーゼ(Beerenauslese)やアイスヴァイン (Eiswein)と表記されたものを選ぶと良いと思います。