季節はスッカリ秋になりましたね …
ウチタビ「初夏に飲みたいリースリング」シリーズは、当初の構想では6、7月の2ヶ月間で連載するつもりだったのですが、ついつい盛り上がってしまい(勝手に ww)9月までの長旅となりましたが、とうとう最終回です (/ _ ; )
初夏 あらため、初秋 に飲みたいリースリング
= 最終回 スイス(後編)=
これまで5回にわたって、ライン川流域のリースリングの銘醸地 ドイツ〜フランス・アルザス地方〜スイス北西部を巡り、この旅のゴール「ライン川の源」まではあと少し ,,,
これまでのウチタビ「初夏に飲みたいリースリング」は
こちらから
今回のルート(ドイツ語圏スイス)
マイエンフェルト 〜 クール 〜 氷河特急 〜 アルプ峠・トマ湖(ライン川の源)

ライン川を下流から上流へと遡って来た「ライン・ワインの旅」も今回で最終旅程。
前回のコラムで訪れたボーデン湖を後にすると、東へと遡って来た川の進路は南へと変わります。ライン川を国境線にして東側にはヨーロッパのミニ国家「リヒテンシュタイン公国」
そして間もなくすると、、、
名作「ハイジ」の舞台で知られる村「マイエンフェルト」に到着!
アルプスの少女ハイジの舞台 マイエンフェルト

村にあるブランディス城や村役場、山へと続く小道、泉などの風景は、原作の舞台をロケしてつくられたアニメ『アルプスの少女ハイジ』にも登場していて「ハイジファン」なら一度は訪れてみたい憧れの場所。

ハイジ気分になれちゃう「Heidiweg ハイジウェグ」

物語ゆかりのスポットをめぐる「ハイジウェグ」をハイキングすれば、ハイジ気分が盛り上がります (*´∀`)♪


高品質な赤ワインの産地

マイエンフェルト周辺は「ビュンドナー・ヘアシャフト地区」と呼ばれる高品質なブラウブルグンダー(ピノ・ノワール)の赤ワインの産地。
これまで巡って来たライン川流域の銘醸地では「リースリングの白ワイン」が秀逸なのですが、ボーデン湖から南のライン川流域では断然「ピノ・ノワールの赤ワイン」が素晴らしいのです!(もちろん白ワインも造られていますが)
しかも、この地区のぶどう畑の区画はとても小さいので、造られるワインのほとんどは地元で消費されてしまいます。それゆえに現地でしか出逢えない「隠れた逸品」と言えるワインを味わうのが旅の醍醐味 (*^ω^*) ♪
Wiikend maienfeld ウィーケンド・マイエンフェルト

4〜11月の毎週末には、マイエンフェルトワイン協会の18のワイナリーが週替りでセラーを開放し、優れたワインの試飲やセラーの見学をさせてくれます。 ワイナリーによってはおつまみメニューもあり、観光客だけでなく地元のワイン愛好家との楽しいひと時が過ごせます。

ビュンドナー・ヘアシャフト地区ではブラウブルグンダー(ピノ・ノワール)の栽培が78%を占めており、小規模ながらも様々なワイン醸造家が高品質のワインを産み出し、国際的な品評会での栄誉を授かっています。(日本に輸出されていないのが残念)

私の個人的な体験ですが、この「Lipp」というとっても小さなワイナリー(女性醸造家)のピノ・ノワールに出逢い、途端にスイスの赤ワインの印象が驚くほど変わりました!
クリスタルのように清く滑らかに澄んだ味わいは、スイスの自然美そのものを感じさせてくれるようなワイン。すっかりマイエンフェルトのピノ・ノワールの虜になってしまいました♡
っが! やはり、このワインも現地に行かないと手に入れられない,,, (T ^ T)

さて、いつまでも美味しいワインの余韻に浸っていたいところですが、旅を続けて行きましょう 〜〜〜 ٩( ᐛ )و
スイス最古の街 クール

マイエンフェルトから南に10km程のところにあるのがスイスの古都クール。ここは、約5000年の歴史を誇るスイス最古の街です。中世には重要な司教領として栄え、街を見下ろす丘の上には今でも大聖堂が佇んでいます。
そして、鉄道王国スイスならではの絶景ルートを走る氷河特急やレーティッシュ鉄道(アルブラ線、ベルニナ線)の発着点となる街。
ということで,,, 旅のクライマックスは人気の「氷河特急 Glacier Express」に乗車して、ライン川の源「トマ湖」に近い「アルプ峠 Alp Pass」までスイスの鉄道旅行を体験しましょう!
氷河特急 Glacier Express

1930年に開通した氷河特急は、ツェルマットとサン・モリッツを結ぶ人気の観光列車。最新のパノラマ展望車両に乗って、アルプスの名峰、美しい森や牧草地、山間の急流や渓谷などが次々と車窓に展開する絶景ルートです。
車内では、日本語を含む6カ国語で説明が聞ける音声ガイドシステム、座席まで出来たての食事を運んでくれるサービスなど、快適な旅が楽しめますよ!

さらに! 2019年3月には1等車よりもリッチな「エクセレント・クラス」が誕生しました☆
ゆったりとした空間でバーカウンターもついた高級感のあるデザイン。ウェルカムドリンク、季節や地域の食材を使ったワンランク上のコースランチやワイン、アフタヌーンティーや乗車中のドリンクやスナックなど、すべてが料金に含まれるオールインクルーシブ。
今回は、そんなプレミアムな「エクセレント・クラス」に乗車している気分(動画あり)で過ごしましょう!

クールを後にしてしばらくすると “スイス・グランドキャニオン” と称されるライン峡谷に入ります、車窓に迫るのは約1万年前の氷河期末期におこった大規模な山崩れで形成された自然の造形美。

大自然の姿に圧倒されていると、古い伝統が息づくスルセルヴァ地方の美しい森と小さな教会や山村が点在するメルヘンチックな眺めが続きます。そして、遠くからでも見える8世紀創設のベネディクト派修道院と修道院を中心に栄えてきた文化と歴史の町ディゼンティスに到着。
ルート最高地点 2033m

ディセンティスから列車は徐々に勾配を登って行きます。そして、山上湖のオーバーアルプ湖が見えるとそこはルート最高地点となるオーバーアルプ峠(2033m)です。そして、この美しいオーバーアルプ湖の南方向の山並みの奥には「ライン川の源 トマ湖」がひっそりと佇んでいるのです。
ライン川の源 トマ湖

ライン川の源とされているのが「トマ湖」 ここから、ヨーロッパの主要河川ラインの流れは全長1,320kmの旅が始まり、スイス〜フランス〜ドイツ〜北海へ注いで行きます。
その流れに沿って育まれてきた宝物のひとつが「ライン・ワイン」なのです。

ということで、3ヶ月間にわたって連載してきた 【ウチタビ】「ワイン片手にうちで旅しよう = 初夏に飲みたいリースリング = 」は、これで完結です。「初夏」が気づけば「初秋」を迎え、最終ルートではリースリングの白ワインではなくピノ・ノワールの赤ワインを紹介することになりましたが,,, むしろ、今の季節はスイスの透明感あふれるピノ・ノワールが合うので良しということに,,, σ(^_^;)
ライン川流域のワインの銘醸地を巡る旅をテーマに、ドイツ、フランス、スイスの旅コラムをお届けしてきましたが、それぞれの旅先で巡り会う景色やワインを楽しんでいただけたでしょうか?
一杯のワインから、その故郷へと思いを馳せてもらえるような【ウチタビ】になれたなら嬉しく思います。
