みなさんは”MRI”という言葉を耳にしたこと、もしくはこの検査を経験したことはありますか?
(下の写真の機械です。)
経験したことのある人ならお分かりでしょうが、
MRIの検査では、「ゴンゴンゴン、ギーギーギー」というような、工事でもしてるの⁉と思うほどの、非常に大きな音が発生することと、撮影時間が非常に長いことが特徴です。
実はこのMRIは、磁石の力で体の中の画像を撮ることが出来るんです。
磁石の力で⁉不思議ではないですか?
そこで、今回は
この不思議な”MRI”という機器についてものすご〜く簡単に紹介したいと思います。
(すごく原理が難しいのでごくごく簡単なイメージを紹介します)
MRIとは『Magnetic Resonance Imaging』の頭文字をとった略称で、日本語に訳すと「核磁気共鳴画像法」となります。
「核磁気共鳴画像法」を調べてみると…
”強い磁場を当て、生体内の分子の共鳴の程度を検出し、画像として描出する方法。これにより、人体の立体的な画像が得られる。また、血流量の測定や血管撮影なども行える。”
https://kotobank.jp/word/MRI%28磁気共鳴映像法%29-898255
と書いてあります。
難しいですね…。
この説明文だと難しいですが、簡単に言い換えると
「強い磁石の力を用いて、体の中の水分から情報を得ている」
ということなんです。
早速ですが皆さんにイメージしてほしいものがあります!
小学生の頃の理科の実験で一度は経験があるであろう「磁石と砂鉄の実験
です。
バラバラにばらまかれた砂鉄の中に磁石を置くと、、、
下の写真のように砂鉄が綺麗に整列しますよね!?

「提供:学研キッズネット」
バラバラだった砂鉄が、“磁石の力”によって規則正しく整列します。
この現象!
この現象と同じようなことが人の体の中で起きるのです!
「砂鉄→ 体の中の水分」
「磁石→ MRIの機械」
と置き換えてみて考えます。
(体の約70%は水分で出来ています。その為ばらまかれた砂鉄のように、体じゅうにびっしり水分があるとイメージしてくださいね)
つまり、
MRIの機械の中に入ると、
バラバラだった体の中の水分(の向き)がMRIの磁石の力によって規則正しく整列するんですね。まさに驚き!の現象でしょう?
「え?磁石の力で?…」と思う方もいると思いますが、
このような状況は、並大抵の磁石の力では起こり得ません。
非常に大きな磁石の力を使っています。
どれぐらい大きいかと言いますと、、、
病院のベッドなんて軽々持ち上がってMRIの機械にくっついちゃいますね!
ゾウをも持ち上げれるくらいの力だとも言えます!
(詳しく説明すると、磁束密度は直接力に換算できませんので、一概には言えませんが、そのくらい強いとイメージしていただいて構いません。)
1m角の電磁石なら数十、数百t程度までを吊るすことができます!!
ちなみに、なぜ体の中の水分(正確には水分子の一部のプロトン)が磁石のような性質を持つのかは、ここでは割愛しますのでそういうものなんだなあ〜と考えてください。
さてMRIの話に戻りますと、
磁石の力でキレイに並ぶ砂鉄のように
体の水分が規則正しく並んだ状態になります。
その後、この状態の人の体に対して
電波(ラジオ波)を当てて、画像を作成して行くのです。
非常に難しい原理ですが、
MRIの検査では、こんな原理を利用して体の中の画像を作り出し、医療に活かしているんですね。
磁石の力を用いて、電波を当てることで体の中の画像を作り出す!
という発想に驚かされます。
今回は簡単にしかMRIの原理には触れていませんが、
非常に強い磁石の力が発生していますので、MRIの機械の部屋には金属は持ち込めないんですね。
詳しく説明すればキリがないMRIですが、
簡潔にまとめますと、
「磁石の力で画像を取る!」
「放射線を使わない検査だから被ばくはない!」
「検査の時間が長くて大きな音がするけど、心配しなくて大丈夫!」
と言い換えれるのかなと思います。
MRIが一般的に普及してきたのは、1980〜1990年代からです。
意外に最近普及してきた検査なんですね。でも今では、欠かせない検査として、非常に多くの場面で使用されています。
間違いなく、30年前には、考えもしなかった状況ですよね。
未来の30年後、医療はどう変わっていくのでしょうか。
これからの進歩が楽しみです!(^-^)