5つの生活習慣に気を付けて、生活している人とそうでない人では
男性で43%、女性で37%
将来がんになるリスクが低くなるというのです!
これは、現時点での医学研究から導き出された科学的根拠に基づくものだそうです。
その5つの生活習慣とは!?
結論から言いますと
「喫煙」、「飲酒」、「食事」、「運動」
、「適正体重の維持」
です。
ん〜。
あまりにも当たり前……のことばかりで、拍子抜けした人もいるのではないでしょうか。
話は大きく変わりますが
先日、私が病院でお会いした1人の患者さんの話をしたいと思います。
その方は、50代後半くらいの男性で、白髪混じりの短髪に、白髪混じりのひげをたくわえた方でした。
その日私は、一般X線撮影室と言われるところで働いていました。
白を基調とした、少し広めの検査室の中に、X線装置があり
そこでは主に、胸やお腹の写真を撮ります。
いつものように検査を終えて、自分が声をかけます。
「お疲れ様でした。お着替えなさってください。」
すると、
「明日手術するんだよ。先月も手術して、まいっちゃうよな〜…。」
…。
突然のことで、少しの間、なんて返そうか考えていた自分に対し、続けて
「しっかり検査できたかね。いや〜だいぶ好き放題してたからね。仕方ないな…。」
「病気すると日頃の大切さを痛感するよ。病気せんのが一番だよ…。周りに心配かけるし、早く何も心配することなく元気に過ごしたいわ……。んじゃ、ありがとうね。」
…。
と、その方は、検査室を出ていかれました。
ほんの1分くらいの出来事でした。
その方が、どんな心境で、
どんな思いで明日を迎えられるのか。
そんなことが頭を駆け巡りました。
その方だけでなく、
毎日、多くの患者さんが病院を訪れます。
検査や処置を受けられます。
笑顔で退院される方もいます。
それぞれに色々な思い、不安があると思います。
それぞれの方の周りには大切な人がいると思います。
健康が一番だな。
そもそも病気にならないことが一番だな。
そう思います。
そう思うと。
毎日の「生活習慣」は非常に大切なことだと改めて考えます。
医学研究の話に戻りますが
「生活習慣」が原因で、がんになる割合は、男性のがんの53.3%、女性のがんの27.8%と言われています。(「感染」が原因も含んでいます。)
冒頭で紹介した5つの生活習慣。
これが大きな鍵となってくるかもしれません。
①「喫煙」について
がんの原因の中でも影響が大きいのが特徴です。
男性で影響が大きく、がん死亡の34.4%、女性ではがん死亡の6.2%を占めると推計されています。
「喫煙」といえば「肺がん」をイメージする人が多いのではないかと思いますが、
喫煙は肺がんだけでなく、「食道がん」「膵臓がん
「胃がん」「乳がん」のリスクを上げることも確実とされています。
その他のがんにも影響がある可能性が高く、
全てがんのリスクを高めてしまうものとも言えるのです。
②「飲酒」について
男性ではがん死亡の8.6%、女性ではがん死亡の2.5%を占めると考えられています。
1日あたり日本酒1合程度の適度な飲酒は、心血管疾患の予防になると考えられていますが、
過度の飲酒は「食道がん」「大腸がん」「肝がん」のリスクを上げることが確実とされています。
次の3つは一気に紹介します。
③「食事」④「運動」⑤「適正体重の維持」
実は、この3つに関しては、がんの要因としての影響は、さほど大きくはないのです。
野菜不足が原因とされるがんの割合は、男性ではがん死亡の0.7%、女性ではがん死亡の0.4%、
運動不足が原因とされるがんの割合は、男性ではがん死亡が0.2%、女性では0.4%
とわずかです。
意外に思われるかもしれません。
だからと言っておろそかにして良いということではないですが、
むやみやたらに大量の野菜を食べたり、運動やダイエットを頑張り過ぎたりする必要はないと言えます。
ただ、他の病気の原因にはなるので、
バランスのいい食事や、適度な運動は、健康維持のためにも大切だと言えるでしょう。
影響の大きさ、根拠から考えると
「喫煙」「飲酒」
この2つが特に重要な生活習慣だということが推測出来ます。
また
これは、国立がん研究センターをはじめとする研究グループによるデータです。
”国立がん研究センター”とは、国を代表する機関の1つです。
特に、今の時代は色んな情報が飛び交う中、
このような機関から科学的根拠に基づくデータとして、はっきりとした数値が示されています。
非常に信頼できるものだと言えます。
とは、いうものの…
健康習慣を毎日意識することは、実際のところ非常に難しいと思います。
個人的にも常に意識する必要はないように思います。
これは科学的根拠に基づくデータではないですけど(笑)、
生活の中で80%くらい意識できればいいのかもしれません。
こう(健康習慣を意識すること)した方がいいですよ!という面から言うと、
生活の中で、決して良いわけではない場面もたまには必要なのかもしれません。
しっかりした中にちょっとした”緩さ”のようなものも必要。
例えるなら、車のハンドルでしょうか。
車の運転も、ハンドルの”あそび”があるから
思い通りにしっかり運転できる。まっすぐ運転できる。
”あそび”がなければ、上手に運転することは難しいでしょう。
しっかり決まっていること(ハンドルを右に回せば右に曲がれる)の中に
この”あそび”部分があるからこそ運転できる。
毎日の生活も同じで、100%実践できなくても
知識として、体にどれくらい影響があるのかということを知っていること。
そして、ふとした時に意識できること。
そういうことが大切なのかなと思います(^-^)。