映画『 寝ても覚めても 』 Click to Tweet

 

昨年のカンヌ映画祭で最高賞に当たるパルムドールを獲得したのが是枝裕和監督の『万引き家族』でしたが、実は日本からもう一本ノミネートされていた作品がありまして、今回紹介する『寝ても覚めても』という作品です。

 

カンヌ映画祭と聞くと、やや芸術性が強くちょっと格式高い映画祭というイメージが強いのですが、本作は比較的観やすいタイプの恋愛映画になります。

原作は柴崎友香さんの同名小説で、河出文庫さんから文庫本も出版されてます。こちらも映画とはまた違った味わいがあって面白いです。

 

実はこの作品、先ほど恋愛映画と言いましたが、サスペンスのような、はたまたホラーのような、ひょっとするとコメディかも笑、と観る人によって180度捉え方の変わる不思議な作風なのです。

 

自分が主催している映画上映会で本作を取り上げた時も、こんなにも男女の意見が分かれるんだなって驚かされました。

主人公の女性が劇中である行動を起こします。ここが大きなポイント!

この決断に関しては賛否両論、もちろん個人的な恋愛観が影響してくると思いますが、鑑賞後に語り合うのもとても刺激的だと思います。

 

 

さて、映画の詳細についてですが

主人公の女性が、かつて突然姿を消した元恋人と同じ顔をした男性と出会い恋に落ちるというストーリー。

主人公・朝子を演じるのは唐田えりかさん。

本作が初ヒロインにして本格的な映画デビューとなる、まあ新人さんと言っても間違いないでしょう。

おとなしい中にも、謎を秘めた二面性があって、でも軸のブレないヒロイン像をしっかりと演じきったと思います。

 

主人公が思いを寄せる男性、今回は一人二役になりますが東出昌大さんが演じられています。

本作の成功はひとえに彼の演技の賜物と言っても過言ではないでしょう。

昨年観た映画の中でも、東出さんの本作での演技が一番心に残っています。

 

メガホンを取ったのは濱口竜介監督。

上映時間が5時間17分!にも及ぶ長編映画『ハッピアワー』を発表し、ロカルノ映画祭など世界各国の映画賞で主要賞に輝きました。演技経験の全くない4人の女性を起用したことも独特の表現方法なのかな、と思います。

そんな監督の商業映画としてはデビュー作になる訳ですが、当然のことながら “普通の” 恋愛映画では収まる訳もなく、飛び抜けた才能を感じる秀作に仕上がっております。

 

 

実はここ最近の邦画、恋愛映画がかなり面白いんです!

あ、壁ドンとかしてる、学園モノの映画ではなくてよ。

勝手にふるえてろ』、『きみの鳥はうたえる』、そして現在公開中で口コミながらロングランを続けている『愛がなんだ』。

本作にも言えることですが、どの作品においてもヒロインの行動は少し歪んでて、共感を得ることは難しそうなのに、逆に多くの女性から支持されるって事が面白いなって思います。

 

年齢を問わず女性の皆さんにオススメですが、なかなか女性の気持ちを理解できず失敗しがちな男性陣にも必見かもしれません(笑)

 

エンディングで流れるtofubeatの『RIVER』という曲が、観終わった後もずっと頭の中が流れていて、その少し切ない想いが心地よく感じられるほど胸に刺さる名作だと思います。

ぜひぜひ、ご鑑賞ください!