今回は原作が同じ作品を新旧二本紹介するので、
2019年公開版を「ぼくらの7日間戦争」
原作と1998年公開版を「ぼくらの七日間戦争」
と表記しています。
1985年に宗田理により書き下ろされ、当時の中高生を中心に熱狂を生み、またたくまにベストセラーになった小説「ぼくらの七日間戦争」。
1988年には実写映画化され当時14歳の宮沢りえが初主演・女優デビュー、TM NETWORKの主題歌「SEVEN DAYS WAR」はメロディーと歌詞が当時の中高生の心をつかみ、累計発行部数2000万部を超える小説とともに青春エンターテイメントの金字塔として世代を超えて愛されています。
その「ぼくらの七日間戦争」が舞台を2020年の北海道へと移し、初のアニメーション映画として生まれ変わります。
1988年の実写映画「ぼくらの七日間戦争」が公開された当時、私は14歳の反抗期真っ只中で、学校では男子は坊主、女子はおかっぱまでしか髪を伸ばすことが許されておらず、髪をピンで留めるのもダメ、新聞には遅刻しそうになった女の子が先生が締めた校門に挟まれ圧死という記事が載り、尾崎豊は夜の校舎窓ガラス壊してまわる歌を歌い、この田舎を出るには高校卒業まで我慢しなければならないと考えるのが苦痛だった私の中学時代。
宗田理先生の“こどもたちが大人をやっつける”「ぼくらシリーズ」にドハマりして、実写化された映画は大好きな宮沢りえ主演やし!子ども達立てこもって学校や先生、親達をぎゃふんと言わせるストーリーが楽しくて楽しくて、あれは勝手に私達のための映画だったと思っています。

(c) KADOKAWA 1988, 1991
今回アニメ化された“現代版”「ぼくらの7日間戦争」は、時代背景も違い、あれから30年も経ってあの頃の私達とは全く違う子ども達が主人公になっています。
年齢も少し上がって今回大人たちに立ち向かうのは高校生。
1988年の映画では対学校だったから、突入の指揮をとるのは憎っくき校長。
今回の「ぼくらの7日間戦争」は彼らが向かっている相手は学校ではありません。ネットで誰とでもつながり、SNSで日常や愚痴を吐き出し、大人も子どもも関係なくつながっていく。今回の7日間戦争で彼らが向かった相手は“社会”だったのかなぁと観た後に考えたけど、そう考えると私達が向かっていた相手(学校)とは世界が広すぎて、そして容赦ない攻撃を受けてしまうことを考えると、今の中高生ってすごい世界にいるのかもなぁ・・・・と少し怖くなった。

(c) KADOKAWA 1988, 1991
今年91歳になる宗田理先生は、今回のアニメ化も、1988の実写化の時も「小説とはメディアが違うわけですから、原作は自由に使っていただいて構わないと思っています。」とおっしゃっていて、ただひとつお願いしたことが“子どもたちが大人をやっつける話にして欲しいということ”。それも凄惨なものではなく、彼らの知識と勇気を武器とし、最後には、みんなが笑顔で「やったー!」と喜べる痛快な戦いでなければいけないと話されています。原作の根底にある“挑戦とユーモア”の精神がぼくらシリーズ原点なのかもしれません。

(c) KADOKAWA 1988, 1991
宮沢りえは、今回「かつて大人たちを相手に“七日間戦争”を戦い抜いた人物」として登場。あの頃から同じように31年の月日を重ねた今大人の私たちが、一瞬あの頃に戻れる映画「ぼくらの七日間戦争」を、現代版の「ぼくらの7日間戦争」を観た後には必ず観たくなるはずだし、現代の中学生が自分たちの親世代もこんな感じだったんだろうなーと思ってくれる映画になるのかもしれないと思っています。
中高生っていつの時代も変わらないのかもしれませんね。
とにかく「ぼくらの七日間戦争」は、昔を懐かしむ大人にも、現代の中高生にも観て欲しい名作!宮沢りえがとにかくかわいいから観て欲しい(・∀・)(今もキレイだけどね!)

(c) KADOKAWA 1988, 1991
ぼくらの七日間戦争 DVDツインパック
¥2,980+税
発売・販売:KADOKAWA
(c) KADOKAWA 1988, 1991

©2019 宗田理・KADOKAWA/ぼくらの7日間戦争製作委員会
「ぼくらの7日間戦争」
キャスト:北村匠海 芳根京子 宮沢りえ(特別出演)
原作:宗田理『ぼくらの七日間戦争』(角川つばさ文庫・角川文庫/KADOKAWA刊)
監督:村野佑太 脚本:大河内一楼
制作:亜細亜堂 配給:ギャガ KADOKAWA 製作:ぼくらの7日間戦争製作委員会
公開日:12月13日(金)ユナイテッド・シネマ キャナルシティ13、T・ジョイ博多、ユナイテッド・シネマ福岡ももちほかにてロードショー